2014/07/10 更新

「啄木」を読む

私には日記というものがない、備忘録だ。

啄木は“日記文学”を書いたとされている。

文学に縁のない私が啄木に興味をもたったのは、

昨年のNHKドラマ「足尾から来た女」に登場したからだ。

ドラマでは、東京市電に飛び込みそうになったり、

夏目漱石のように月100円稼ぐ小説家になろうと思っていたのに、小説がかけないと嘆いたり、

売春婦のもとに入り浸りになり、その女性を悪し様に追っ払ったり、という姿を見たからだ。

このような描写は、彼が短歌や詩だけを残していたなら、描けなかっただろう。

彼は自分にとって都合の悪いことも書いている。

啄木は古いものは悪、新しいものは善と考えていた頃があったという。

「今どきの若者は…」などと言わないで、

若いことは自分より新しい感覚の持ち主であり、

それはすぐれていると言っていた、河島英五のような心もちになりたい。

伊丹市M